原状回復ー壁紙の落書き、だれの負担?

2021年10月13日

原状回復でよくトラブルになる壁紙の貼り替え費用

よく「壁紙の耐用年数は6年なので、退去の際は落書きをしていても壁紙貼り替えの費用は支払わなくてよい。」と言っている方がいます。
Youtubeでそう説明している方がいますし、ブログで書いている方もいます。

 

でも、本当にそうなのでしょうか?

 

この方たちを批判するわけではありませんが、ネットの情報を鵜呑みにせず、自分で原状回復ガイドランを読み込んでください。

 

おそらく、ネットの情報はコピペで広がるので、ガイドラインの読み込み不足で誤った情報が広がっていると思われます。

 

うーん。落書きは子どものアートだ!って言って笑い飛ばせればいいですけどね...。

 

落書きしてしまった壁紙1

原状回復ー落書き壁紙1

落書きしてしまった壁紙2

原状回復ー落書き壁紙2

原状回復ガイドラインと改正民法621条からの考察

原状回復ガイドラインでは、”借主の「故意」「過失」「通常の使用方法に反する使用」など、借主の責めに帰すべき事由による住宅の損耗・毀損があれば、借主がその費用を負担する。”という内容になっています。

 

改正民法でも”賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷があれば原状に復する義務を負う。”という内容になっています。

 

つまり、耐用年数が6年だからといって、借主の責めに帰すべき事由による住宅の損耗・毀損があれば原状回復義務が発生すると取れます。

 

原状回復ガイドラインの内容

原状回復をめぐるトラブルとガイドライン (再改訂版) 平成23年  8月 ー Ⅱ  契約の終了に伴う原状回復義務の考え方 ー 3  賃借人の負担について  ー (2) 経過年数の考え方の導入 ー ① 経過年数

 


ー 省略 ー

なお、経過年数を超えた設備等を含む賃借物件であっても、賃借人は善良な管理者として注意を払って使用する義務を負っていることは言うまでもなく、そのため、経過年数を超えた設備等であっても、修繕等の工事に伴う負担が必要となることがあり得ることを賃借人は留意する必要がある。具体的には、経過年数を超えた設備等であっても、継続して賃貸住宅の設備等として使用可能な場合があり、このような場合に賃借人が故意・過失により設備等を破損し、使用不能としてしまった場合には、賃貸住宅の設備等として本来機能していた状態まで戻す、例えば、賃借人がクロスに故意に行った落書きを消すための費用(工事費や人件費等)などについては、賃借人の負担となることがあるものである。

 

改正民法621条の内容

改正民法621条(賃借人の原状回復義務)賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷(通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年の変化を除く。以下この条において同じ。)がある場合において、賃貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負う。ただし、その損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。

 

落書きをしてしまった壁紙の原状回復費用の考え方

落書きは借主の責めに帰すべき事由による住宅の損耗・毀損にあたります。

 

この原状回復ガイドラインに沿って考えるなら、耐用年数が6年で残存価値が1円になるため、借主は材料の壁紙の費用の負担はほぼしなくてもよいですが、その壁紙を貼る工事費や人件費は落書きを消すための費用として支払わなければなりません。


例えば、落書き面の壁紙貼替えの見積りが下の通りとします。

 

壁紙 5,500円
処分費 2,000円
諸雑費 3,000円
施工費 13,000円
経費 3,000円

 

「壁紙」は残存価値が1円なので材料費として0円と考えます。
「処分費」は材料ではないので工事費として考えられます。
「諸雑費」はパテや壁紙糊、コークボンドの費用と考えられます。よって材料費に近い費用と思われます。
「施工費」は人件費と考えられます。
「経費」は職人の移動費や事務所などの維持費にあたるため、材料費というよりは工事費になると思われます。

 

よって、貸主負担分は8,500円。借主負担分は18,000円。とするのが妥当と思われます。

 

ただし、原状回復は各々で異なっています。原状回復ガイドラインを読み込んで、業者から出てきた負担分に納得がいかない場合は、弁護士に相談することをお勧めします。

 

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